表現力を身につけよう
ピアノの上達に欠かせないのが、表現力です。
どんなに速く指が動いても、たくさんの曲を覚えても、
ずっと同じ調子でダラダラと弾いていたのでは、上手に聞こえません。
本当に上手い人は、たとえ『猫ふんじゃった』でも
とても素晴らしい曲のように演奏することができます。
表現を示す記号
楽譜の中には、この感情表現を指示する記号がたくさんあります。
前に紹介した、強弱記号もそのひとつです。
さらに楽譜を良く見てみると、
なんだか馴染みの無い言葉が書いてありますね。
これらの意味を無視しても、曲を弾くことはできます。
でも、作曲者の意図をきちんと理解して、
曲に合った感情表現をするためには、
この記号の意味をきちんと知っておく必要があります。
感情表現に関わる記号は、曲の速さをあらわすものと
曲のイメージ(曲想)をあらわすものがあります。
速度記号
テンポの速さは、曲のイメージを大きく左右します。
曲の速さをあらわす記号には、以下のようなものがあります。
記号 | 読み方 | 意味 |
Largo | ラルゴ | ゆるやかに |
Adagio | アダージョ | ゆっくりと遅く |
Andante | アンダンテ | 歩くような速さ |
Moderato | モデラート | 中くらいの速さ |
Allegro | アレグロ | 速く |
Vivace | ヴィヴァーチェ | より速く |
Presto | プレスト | 急いで |
Prestissimo | プレスティッシモ | より急いで |
具体的なテンポを数字で表すのではなく、言葉で表しているので、
そのとらえ方は人それぞれです。
この記号の解釈の違いによって、奏者の個性があらわれるのです。
絶対的な速度ではなく、曲のイメージとしてとらえるようにしましょう。
また、曲中のスピードは一定ではありません。
場面ごとに、少しずつ遅くなったり、急に速くなることもあります。
そういった速さの補助をする記号もあります。
記号 | 読み方 | 意味 |
rit. | リタルダント | 徐々に遅くする |
accel. | アッチェレランド | 徐々に速くする |
a tempo | ア テンポ | 元のテンポに戻る |
tempo I | テンポプリモ | 最初のテンポに戻る |
molt | モルト | きわめて・・・ |
assai | アッサイ | 十分に・・・ |
poco | ポコ | 少し・・・ |
poco a poco | ポコ ア ポコ | 少しずつ・・・ |
下の4つは、他の速度記号と組み合わせて、
より微妙なニュアンスを付け足すことができます。
例: molt Allegro → きわめて速く
曲想をあらわす記号
曲のイメージは、速さとともに弾き手の感情も大きく影響します。
思い切り鍵盤を叩くようにするのか?
優しく、なでるようにそっと鍵盤をおさえるのか?
どんな気持ちでピアノを弾くのかをあらわすのが曲想記号です。
記号 | 読み方 | 意味 |
Affettuoso | アフェットゥオーソ | 愛情をこめて |
Agitato | アジタート | 興奮した・動揺した |
Brillante | ブリランテ | キラキラと、華やかに |
Calmato | カルマート | 静かに |
Cantabile | カンタービレ | 歌うように |
Comodo | コーモド | 気楽に |
Con brio | コンブリオ | 生き生きと、活気よく |
Dolce | ドルチェ | 優しく、柔らかく |
Espressivo | エスプレッシーヴォ | 感情豊かに |
Grave | グラーヴェ | 重々しく、厳かに |
Leggiero | レッジェーロ | 軽やかに |
Maestoso | マエストーソ | 荘厳に、堂々と |
Misterioso | ミステリーソ | 神秘的に |
Pesante | ペサンテ | 重く、重厚に |
Scherzando | スケルツァンド | 冗談ぽく |
Vivace | ヴィヴァーチェ | 生き生きと、速く |
『カンタービレ』なんて言葉は有名ですよね。
まさしく「うたうように」という表現がぴったりだと思います。
ここにあげたものの他にもたくさんのものがあります。
最初から全て覚える必要はありません。
でも、自分が弾きたいと思った曲に知らない記号が出てきたら
必ず調べるようにしましょう。
それが表現力をアップさせるヒントになります。
作曲者が記号に込めたイメージを、
頭の中で考えながら弾いてみましょう。
それだけで、自然と鍵盤をおさえる力加減が変わってきます。
表現力は、あなたの気持ちの中から生まれるのです。
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